ベントグラス葉腐病 (ブラウンパッチ)
目次
1標準的な症状
リング状に見えたり、パッチの縁が暗緑色(軽い乾燥害の症状)に見えるものは活動期にあると考えられる(緊急防除が必要)
縁が不鮮明なパッチ状に見えるものは、休止状態にある
罹病植物体内に認められるリゾクトニア菌の菌糸
速効性殺菌剤散布5日後であるので、
菌糸の原形質が消失しており、活性を失いつつあると考えられる。
罹病植物体表面に認められる病原リゾクトニア菌の菌糸
菌糸の原形質が充満していて活性は高いと考えられる
2診断のポイントと対策
色 | 黄褐色パッチ |
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形 | 円形またはリング状 |
大きさ | 直径25cm |
発生要因 | 多湿条件下で発生しやすく、排水不良箇所に帯状に発生することがある。 多肥、過潅水 、アルカリ性土壌、ベントグラスの播種、オーバーシード直後のグリーンで発生しやすい |
その他 | パッチの縁(リング状の部分)を湿室に入れて一夜置くと、灰色の菌糸塊を生じる |
3応急処置(薬剤対応)
緊急対応 | 即効性の(浸透移行性)の殺菌剤を使用 |
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その必要がない場合 | 廉価で保護的殺菌剤を使用、炭そ病の発生歴があれば、同時防除を考えて薬剤散布 |
4類似病害(炭そ病)との違い
同じ様な時期に発生する病害として炭そ病があるが、このパッチはやや小さく不整形、縁が不鮮明なのですぐに見分けがつく。
過湿にしても菌糸を生じない
5新(にせ)リゾクトニア病との違い
病名 | ベントグラス葉腐病 (ブラウンパッチ) |
新(にせ)リゾクトニア病 |
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初発の時期 | 晩春~夏 | 春 |
症 状 | ・直径10~20cm ・黄褐色~褐色、 ・縁不鮮明なパッチ状 |
・直径20~30cm ・黄色~黄褐色 ・縁比較的鮮明なリング状 |
6発生履歴
2001.6
ベントグラス葉腐病(ブラウンパッチ) (和歌山県)
2002.7
ベントグラス葉腐病(ブラウンパッチ)(兵庫県)