黄化萎縮病(イエロータフト)

目次
1黄化萎縮病(イエロータフト)
病名 | 黄化萎縮病(イエロータフト) |
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英語名 | Yellow tuft |
学名 | Sclerophthora macrospora |
被害芝草種 | 数多くの芝草を侵す |
2病原菌特徴
病徴
初期症状として、芝生全体に1cm~3cmの小さな黄色の斑点が点在する。斑点は排水不良の場所では水の流れに沿って広がることがある。感染した芝は分げつ数が増加し、根長が短くなる。そのため、簡単に引き抜ける状態になり、乾燥害の影響を受けやすくなる。
発生時期
春と秋の平均気温約20℃前後の時期に発生する。
発生条件
排水不良、過剰な灌水、サッチの蓄積が多い環境で発生しやすい。病原菌は水を介して伝播し、長時間湿潤な状態が続くと感染が拡大する。特に、水たまりが数時間続く環境では発病リスクが高まる。
3防除
予防対策
- 排水性の向上: 過度な湿潤環境を作らないようにする。
- 低地の排水設備整備: 水が溜まりやすい場所では適切な排水設備を整える。
- 湿潤管理: 降雨後や灌水後に長時間芝が湿った状態にならないよう注意する。
- 雑草管理: メヒシバなどのイネ科雑草が病原菌の伝染源になるため、定期的に除去し、病原菌の伝染リスクを抑える。
治療対策
殺菌剤による防除では、メフェノキサム(mefenoxam)やメタラキシル(metalaxyl)を含む薬剤が有効である。芝ではメタラキシル剤が本病に対する登録がある。発病後の治療は難しく、複数回の散布が必要となることがあるため、早期の対策が重要となる。また、一度異常分げつを起こした芝は回復しないため、バーチカル作業や張替えなどで物理的に除去する必要がある。
4参考写真

写真1. 異常分げつを起こしたコウライシバ

写真2.ベントグラスに発生した黄化萎縮病(イエロータフト)

写真3.異常分げつを起こしたベントグラス