芝地の雑草の見分け方と防除 (11)

−オオバコの仲間−


<はじめに>

今回はオオバコ科(Plantaginaceae)のオオバコ属(Plantago)について述べる。オオバコ属Plantagoのplantaはラテン語の‘足跡’に由来する。オオバコ(大葉子)の名は、広い葉にちなんで付けられ、漢名の車前草は車の通る道に多く生えることから付けられた。薬用にされる。ヘラオオバコ(箆大葉子)は葉の形が細長く先の尖った箆(へら)に似ていることから名付けられ、ツボミオオバコは花がつぼんだまま開かず、おしべが外に出ないのでこの名がある。

<共通点>

葉はすべて根生し、ほぼ平行する葉脈を持つ。穂状花序をなし、多数花をつける。果実は横に裂ける。

<見分け方>

見分け方のポイントをまとめると写真下の説明のようになる。

<その他の類似雑草>

セイヨウオオバコPlantago major L.在来のオオバコに比べてやや大きく、花穂は柄も入れて30〜60cmで、果実はほぼ4列に並び湾曲しない。種子は1果に8〜16個。欧州原産。別名オニオオバコ。

トウオオバコPlantago major var. japonica Miyabeオオバコに比べ、種子の数が多く、植物体が大きい点でセイヨウオオバコと似るが、葉は淡緑色でやや厚く光沢があり、葉面が立つ傾向がある。花穂はさらに長く、柄も入れて50〜80cmと大きく見分けがつく。生育地が海岸に近い場所に限られている。

ツボミオオバコPlantago virginica L.一〜二年草。北米原産の帰化植物。葉や花茎に白色の毛が密生する。花冠は黄白色で、短時間開くがすぐに閉じて直立し、おしべはその外に現れることがなく、ツボミのままのようにみえる。果中に種子は2個。

<発生生態>

オオバコは人や車が踏んで、土壌の固結したところに生える。これは地面に落下した種子が吸水すると粘液をだし、人の靴や自動車のタイヤに付いて道沿いに伝播するからである。また、生育しても葉が地面に平伏し、花茎もしなやかで切れにくいことから、高い耐踏圧性をそなえているためと考えられる。そのため、放っておくと群落を作ってしまう。

防除法

除草剤による防除はオオバコの発生前や発生初期であればSU剤でも効果があるが、生育期になったもの、開花期を向かえたものには効果が劣る。効果が高いのはホルモン剤であるが、多年生のオオバコなどで、黄化はしても完全に枯死まで至らない個体も見られる。除草剤の1回処理で再生が見られる場合には、使用基準量の高い薬量で処理する。但し、ホルモン剤を使用する場合には萌芽期や高温期では日本芝に薬害がでるので、処理する場所や薬量には注意が必要である。

 

 

 



オオバコ Plantago asiatica L.

生活史: 多年生  

花茎:長さ10〜20cmくらい

葉:全て根生、葉は大きく卵形や広卵形。

ほぼ平行する5大脈が目立つ

 

左:開きたての花は雌性期で柱頭がのぞいているがおしべはまだ出ていない。

右:次いで、雄性期に移り、長い花糸をもつおしべ4本と薄い白色の膜状の花冠裂片4枚がでて、花粉を風で散らす。

左−果実:中央部で横に割れ、4〜6種子

右−地下部:一見ひげ根状に見える。(しかし、毎年根茎の先端部から芽を出し地上部を伸ばすので根茎は結節となって斜めに地中に伸びていく。)

種子:果実の中に4〜6個

種子が吸水すると粘液をだし、人の靴や自動車のタイヤに付いて道沿いに伝播する

 

 

ヘラオオバコ Plantago lanceolata L.

 

 

生活史:多年生または一年生 

原産地:ヨーロッパ原産。

 

花茎:20〜70cmで、穂状花序ははじめ円錐形で、のちに円柱状となり長さ5cm前後。他のオオバコに比べ花序は短い

花:花冠は膜質で白いが、外に長くつきだした雄しべと、淡紫色〜淡黄白色の葯の方が目立つ

種子:2

葉:へら形〜披針形で、直立根生。葉面は無毛であったり、または全体的に上向き性の毛がある。

地下部:太い根茎