芝地の雑草の見分け方と防除 (2)

−チチコグサの仲間−

<はじめに>

 キク科雑草の種類は多く、その冠毛によって、風で遠くまで運ばれ、広く分布する。切り開かれ、明るい空間を持つ芝地は侵入しやすい場所である。今回は芝地に見られるチチコグサの仲間についてその見分け方と防除法について述べる。

<共通点>

 ハハコグサ属のGnaphaliumは綿毛のある植物の一種をいい、古いギリシャ語で、Gnaphallon(一握りの羊毛)に由来する。密に綿毛のある草本。葉は互生、線形または皮針形、多くは無柄。そう果に冠毛があり、風によって広がる。

<見分け方>

 ハハコグサ属の芝地でよく見られる雑草4種の特徴については写真下に記載した。葉の形状と綿毛のつき方、頭花の色とつき方、で見分けられる。

ハ ハ コ グ サ ▼

幼苗は全体に綿毛があって白色となる。(2月)

茎頂に黄色頭花。(5月)

チ チ コ グ サ ▼

葉の上面は深い緑色、裏面は白色で綿毛あり。(6月)

茎頂に茶褐色頭花。花序の下に短い数個の葉をつける。(6月)

チ チ コ グ サ モ ド キ ▼

葉の上面に毛はまばらに、下面はやや密に生える。

葉先の方が幅広く、へりは波打つ。(5月)

頭花は淡褐色で、上方の葉の腋に団塊状につき、全体が穂のようになる。(6月)

ウ ラ ジ ロ チ チ コ グ サ ▼

根出葉はへら状楕円形、先は丸く、地面に張り付くように広がり踏みつけに強い。(5月)

表面は緑色で裏面は綿毛が密生して純白に近い。(2月)

紫褐色の頭花を密につけ穂状となる。(6月)


  は見分け方の重要点を示す。その見分け方をまとめると、下の表のようになる。


ハハコグサ

Gnaphalium affine
D.Don.

チチコグサ

Gnaphalium japonicum
Thunb.

チチコグサモドキ

Gnaphalium pensylvanicumWilld.

ウラジロチチコグサ

Gnaphalium spicatumL.

生活型

越年草

多年草

越年草または1年草

越年草または1年草

基部から分枝して直立し、やや固い。

根元から叢生または単生し、分枝しない。

基部から直立。

基部から横に分岐して叢生。

へら形、先は丸みを帯び基部は細くなる。

全体に白い毛でおおわれる。へりは波打つ。

線形で細長く、先端は尖る。根出葉は花の時期にも枯れない。

上面は深い緑色で裏面は白色で綿毛がある。

へら状で、両面特に裏側は白く長い綿毛に覆われる。

根出葉はへら状楕円形で先は丸い。

表面は緑色で裏面は綿毛が密生し純白に近い。

茎頂に黄色い頭花を散房状に密生。

茎頂に茶褐色頭花を密につける。

淡褐色の頭花は上方の葉の腋に団塊状につき、全体が穂のようになる。

茎の先に紫褐色の花を穂状に密につける

果実

そう果に黄白色の冠毛あり。

そう果に白色冠毛あり。

そう果に白色冠毛あり、基部で環状に合着。

そう果に白色冠毛あり。

その他

匍匐茎を伸ばして繁殖する。

熱帯アメリカ原産帰化植物。

熱帯アメリカ原産帰化植物。


<その他の類似雑草>

アキノハハコグサGnapharlium hypoleucum DC.:
ハハコグサのように頭花は黄色をおびるが、葉は細く、上面は緑色となる。その名のように秋に咲く。アキノハハコグサは花柱が花冠より長く、ハハコグサは短い。

セイタカハハコグサGnaphalium luteo-albumL.
全体に綿毛があり、灰白色を帯びる。茎は分岐して直立し、高さ60cmほどになる。葉は狭卵形〜線形で、茎頂に黄色の頭花をつける。

タチチチコグサ(ホソバノチチコグサモドキ) Gnaphalium calvicepsFern:
下部の葉はへら形であるが、中部以上の葉は細く幅3〜5mmで、硬くて先が尖る。総包の下部はチチコグサモドキのように急にふくれず、綿毛はやや少ない。

ウスベニチチコグサGnaphalium purpureumL.:
葉の形はチチコグサモドキとタチチチコグサの中間くらいで、やや幅が狭く質もやや硬い。葉の全体に白色の軟毛があるが、裏面の方が多く、それだけ色も白い。頭花は紅色で、茎の先端にやや集まって着く。


<発生生態と防除>

 前年秋から発生し、春になると茎が上がってくる。
 ハハコグサ、チチコグサモドキがラフで発生し、放っておけば、冠毛が付いた種が飛んでひろがって、どんどん増殖していくので、種がつく4月〜5月までに刈り飛ばす。チチコグサとウラジロチチコグサはロゼット状で刈り込み後も残るので、除草剤の散布が必要。チチコグサは多年草で、匍匐茎を伸ばして広がるので、さらにその必要がある。