Q:
殺菌剤のローテーション散布の方法はどのようにしたらいいですか? A:
ローテーション散布の原則として、作用点が異なる剤を少なくとも3種類以上使用するようにしましょう。ローテーション散布を行う際に薬剤の選定の助けになるものとして以下のFRACコード表(日本農薬工業会HP https://www.jcpa.or.jp/labo/mechanism.htmlより引用・抜粋)があります。耐性菌出現リスクが高い剤のみで組み合わせることは推奨されておらず、例えば7→M5→11→3→のように耐性菌出現リスクが低い多作用点接触活性薬剤(RACコードMのものなど)と組み合わせて使用するようにしましょう。
ラベルへのFRACコードの表示は製造メーカーの判断によって実施されているものであり、2017年前後から写真1のようにラベルへの記載がされるようになったようです。 |
Q:
ダラースポット病が出て殺菌剤を散布したが、枯れたところがなかなか治らない。どうしてですか?薬剤耐性菌を疑ったほうがいいでしょうか? A:
病斑が出た後に薬剤散布を行った場合、その薬剤の効果が出ているのかを確かめることが必要です。散布7~10日後にスポットの周縁部が赤褐色のままである、またはスポットの数の増加、拡大などが見られる場合、殺菌剤が効いていない可能性があります。その場合は、病害の進行を止めるために作用点が異なる殺菌剤を使用することをお勧めします。同じ殺菌剤を何度も使用していると、徐々に病原菌に対する効果が薄くなり、最後には全く効かなくなる耐性菌となってしまいます。耐性菌を出さないためにも、作用点が異なる数種類の殺菌剤をローテーション散布し、予防剤と治療剤の使い分けをしていくことをお勧めします。 |
Q:
3,4年前からラージパッチが発生し出し、昨年は多発しました。そこで、今春には予防処理をしっかりやり、再発してきた所には治療散布をして梅雨までは何とか抑えてきました。秋の予防処理も早めにきっちりとしましたが、降雨が続き幾分気温が低めの10月に多発してしまいました。どうしてこうなったのでしょうか。 A:
これには以下のような原因が考えられます。①殺菌剤の残効切れが考えられます。②サッチなどの有機物がたまっていると、散布した薬剤が吸着され、しっかりやった筈の薬剤の効果が低下したり不安定になったりします。また、たまった有機物は、排水不良の原因にもなり発病しやすくなります。③暖地型芝草にとって秋の多雨、日照不足、低くめの気温、排水不良などが続くと、耐病性が低下します。④ラージパッチにゾイシアディクラインなどとの複合病も考えられます。これらの内のどれが真の原因か、そのほかに原因はないのかについては、グリーンキーパーと専門家がじっくり話合ったり調査をしたりするとよいと思います。 |
Q:
グリーンの病原菌は、気温が何度くらいになったら動き出しますか。また、その時期の病害管理として何に注意したらよろしいか。 A:
病原菌、ここでは数多くの病気を起こすかびのことを取り上げます。かびは目に見えないだけで立派な生物の仲間です。気温についても、ベントグラス同様月平均気温が10℃前後の 3 月下旬ともなれば、休眠状態で冬越しをしていた厚膜の菌糸や胞子は動き出します。厚膜の菌糸や胞子の膜が周りの水分を吸い、少し膨らんで菌糸伸長や胞子発芽の準備をします。この頃以降になると、ベントグラスは発根や分げつが盛んになり、古い組織が剥がれ落ちて一般の土壌細菌の餌になって分解され、糖やアミノ酸類が土壌中に放出されます。それを餌にして病原菌はさらに菌糸が芝草に誘引されるように伸び、感染に至るのです。このような春先のグリーンの床土の中での動きを図示すると、次のようになります。 |
Q:
病害の診断をしていて、病気がうまく治らなかった経験がありますか。その場合には、どういう所に原因があったと思いますか。 A:
診断していて、その後の対応がうまく取れず、治りが悪くコース管理に迷惑をかけた例が最近ありました。その原因は、診断中にコース管理との連絡が密に取れなかったことにあると痛感しました。 |
Q:
ベントグリーンで見られる芝草の病気の中で、防除困難な病気は何ですか。その対応策も教えてください。 A:
その病気は、登録農薬が少なくて治りにくいピシウム病と細菌病でしょう。これら2つの病気が防除困難なものになっているのは、①地上部に症状が現れる頃には、病原菌は土壌中でかなりな数に増えていてその周りに広く散らばっているので、防除適期を逃すことが多いこと、②薬剤散布をしても、土壌中を水と共に流亡したり、土壌中の有機物に吸着されたりして薬剤が病原菌にとどかないことが多く、効果があらわれにくいからです。 |
Q:
芝生病害の分野で顕微鏡を使うと、何が見えて何が分かるのでしょうか? A:
顕微鏡により、もちろん発病した芝草の葉の上などに病原菌(かびや細菌)が見えます。一種類の病原菌が見えればそれによる病気だと言え、適切な対応-例えば過剰散水を避け殺菌剤の散布をします。しかし、葉、地際部、根などを調べても病原菌が見つからなければ、生理障害と考え薬剤散布をする必要はありません。このように、薬剤の要否が顕微鏡観察により決まり、ここで顕微鏡の役割は一応終わります。 |
Q:
日本芝で発生している病害はベントグリーンにも入ってくるのですか? A:
病原菌によって発病できる草種は異なり、多くの草種に発病できるものもあれば、特定の草種にしか発病できないものもあります。そのため一律に日本芝の病害がベントグリーン内に入ってくるかは述べる事ができませんので、以下にベントグリーンに入ってくる病気、入らない病気の一例を挙げましたので参考にしてください。 |
Q:
赤焼病は5月のベントグリーンではまだ発生しませんが、梅雨期にはそろそろ出はじめます。このように、赤焼病には出る時期があるということですが、それはどのような理由によるのでしょうか。 A:
5月の平均気温は20℃以下で、高温性の赤焼病菌には低過ぎて増殖できません。しかし、寒地型のベントグラスには好適で、5月から成長期に入って行きます。その上、雨が少なめで日照時間が長くなり、ベントグラスは強く育つのです。このように、5月は赤焼病菌にとっては不良環境で、ベントグラスには好条件なのです。これが、赤焼病が出ない理由です。 |
Q:
どういう環境条件下で、芝草の病気は出やすいですか。 (H.25.1) A:
芝草病が出やすい環境条件は、便宜上、自然的な条件と人為的な条件に分けて考えるとよいと思います。勿論、これらの条件は互に絡み合って発病に関係しています。
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Q:
ベントグリーンに出る病気のような黄色いスポットは何ですか? A:
ベントグリーンに発生する黄色いスポットは主にイエロータフト(黄化萎縮病)とイエロースポットの2種類が考えられます。
赤焼病の初期診断 梅雨末期から梅雨明けへとベントグリーンにとっては非常に厳しい季節を迎えます。グリーンに病気が発生すると、この時期にはしばしば大きな被害を出します。その中でも赤焼病は症状の進展が速く大きな被害を出すので、最も警戒すべき病害なのです。被害を最小限に抑えるには初期対応が重要で、そのためには赤焼病の初期症状を見極める必要があります。初期症状は赤みでは無く黄色みを帯びており、ソーセージのような形をしていて、葉が垂れて一方向に流れたように見えるパッチがいくつか現れます。これが徐々に拡大し、典型的な赤みを帯びたパッチになっていきます。この時期のベントグラスの葉は湿った状態で萎れ(軟腐)ていき、根は淡褐色(あめ色)に変わって側根から消失していきます。しかし、赤焼病の初期症状は判断が難しく、怪しいと思われるものがありましたら研究所にご相談ください。 |
Q:
何時も、ルーぺを持ってコースに出ることにしています。病原菌は何倍くらいで見えますか。 A:
コウライシバ立枯病(ゾイシアデクライン)を例に取って説明しましよう。本病が多発している所では、病原菌は葉から根にまで見られますが、葉では厚くてよく見られません。地際葉鞘部が観察するのによいでしょう。
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Q:
冬場にグリーンで赤っぽいもやもやとしたものがでています。かさ枯病と考えていいのでしょうか? かさ枯病であればどのように対処したらよいでしょうか? A:
一概にかさ枯病と断定するのは難しいと思います。以前にかさ枯病と診断された事があり、カラーなどの葉一枚一枚が大きい個所で典型的な病斑(写真参照)が多く観察される場合はかさ枯病といっても良いかもしれません。その症状が病原菌によるものでない可能性(生理障害や薬害やアントシアン斑など)もあります。また、冬に発生し、かさ枯病以外で赤色を呈する病気は紅色雪腐病やフザリウムによるものがあります。これらの病気は比較的はっきりとしたパッチを形成するので判断はしやすいと思いまが、判断が難しい場合は研究所にご連絡ください。 |
Q:
夏になるとグリーンカラーにドライスポットがよく発生します。水はかかっていると思いますが、何故発生するのですか、対策はあるのですか? A:
グリーンカラーにドライスポットなどの乾燥害が発生する原因には次のようなことが考えられます。
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Q:
細菌病の話をあまり聞かなくなりましたが、あまり発生していないのでしょうか? A:
細菌病(かさ枯病、葉枯細菌病)の発生自体は減少していないのですが、細菌病による被害は減少しているように思われます。 |
Q:
赤焼病のローテーション散布について教えてください。 A:
薬剤のローテーション散布は同じ薬剤の連用、多回数の使用を避け、耐性菌の出現を防ぐためのものです。以下の点に注意する必要があります。
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Q:
毎年春先には、芝生の病気についての問い合わせが多い、と聞いていますが-----?。 どういう病気が多いのですか? これらの病気に対して、現場では適切な対応が取れているのでしょうか? では、どう対応したらよろしいのでしょうか? A:
そうです。4月には急増します。
細菌病、ピシウム病、不明症状(どういう病気かよく分からないが、明瞭な症状が出ていて、病気のように見えるもの)です。この3つがここ6年間連続トップです。
あまり取れていません。困ったことに、これらの病気に対して誤診率は最も高いのです。
4月初めから、まず第一に、例え芝生の状態がよくても、毎日、注意深く観察して下さい。第二には、何か異常が出はじめたら早めに専門家に相談し、病名をはっきりさせることです。最後には、色々な人の意見を聞くのも大切ですが、自らよく考えて対応策を練ることです。
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Q:
晩秋から初冬にかけて細菌病が出たと診断されました。薬剤散布を2回行なってやっと病気は止まりました。しかし、なかなかベントグラスが回復してきません。 どうしたらよろしいか。 A:
この時期は、ベントグラスの分げつや新根の伸長も盛んですが、地上部の成長はそれほどでもありません。それで、芝の回復が遅いと感じるのでしょう。この場合、炭疽病菌が絡んでいたり、病原力が弱い葉枯細菌病菌やピシウム病菌などが増えていることがあります。これらの病原菌は各種の競技会などで芝草が弱った時に2次寄生菌として活動することもあります。したがって、細菌病に対する2回目の薬剤散布の後、念のためにもう1回、これらの菌に有効な抗菌スペクトルが広い剤を液肥や各種の活性剤とともに散布しておくと、芝草の病気からの回復が早かったという事例があります。是非、お試し下さい。成果の良否にかかわらず、一報下されば幸いです。 |
Q:
思わぬ寒波・大雪の来襲で雪腐病が心配! A:
急にやって来た根雪の前に、昨年末には雪腐病対策がとれずに終わってしまったというコースがたくさんありました。根雪の期間が40日以上にもなると、雪腐病が出ると言います。病原菌の種類によっては、根雪にならない地域でも発病します。このような訳で、この春の融雪時までに今からしっかり雪腐病に対する心積もりをしておきたい、という問い合わせが昨年暮れから相次ぎました。 |
Q:
細菌病が発生した時、登録農薬がありません。 どうしたらよいでしょう? A:
取りあえず、正しい診断と緊急対応が求められます。 |
Q:
すべての芝生の病原菌で耐性は出現しますか? A:
どの病原菌においても耐性菌が出現する可能性はありますが、病原菌によってその可能性の大小に大きな差が見られます。 |
Q:
春はげ症、雪腐病、ゾイシアデクライン、ネクロティックリングスポット病などに対し、秋の薬剤散布が有効なのは何故でしょうか。 A:
これらの病原菌は比較的低温性で、秋になると増殖力が高まり、晩秋から初冬まで菌密度が増えていきます。一方、秋が深まると、暖地型芝草は休眠に向かって生育量が落ちていき、寒地型芝草でも、もはや春の勢いはありません。このように、秋には両方の芝草とも病原菌の感染に対して抵抗力は落ちてきていますが、逆に病原菌の密度は高まっているのです。抵抗力が弱まった芝草に菌密度が高くなった病原菌が出合えば感染が起こります。この感染の初期に正しい薬剤を散布すれば、病原菌の密度が低下して感染が抑えられるわけで、その結果、秋の薬剤散布が有効となるのです。
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Q:
グリーンがリング状に焼けています。乾燥害とフェアリーリング病の見分け方はありますか? A:
乾燥害は、初期症状では葉が巻き黒ずみます。時間が経つにつれ白みを帯び、周囲の芝生面よりも落ち込み最後には芝が枯れ裸地になります。基本的には不定形のパッチ状に現れますが、リング状の症状でも現れることがあります。
フェアリーリング病では、濃緑色のリングを形成することが多いです。また、梅雨時期などで雨が降り続く時にリングの外縁部にはきのこが生えてくることがあり、高温期には乾燥してリング状またはリングの内側が焼けます。リングの内側ではフェアリーリング病の担子菌類が高い密度で存在しているため、ホールカップなどで掘り取るときのこの臭いがします。
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Q:
夏になるとイノシシよけの電柵にクズが絡みつきます。刈払いや除草剤のラウンドアップを処理しますが、他の対策はありますか? A:
クズが蔓延る前に除草剤処理が最も効果的と思います。クズが目立つ時期は夏になりますが、実際には春期から生育を始めています。冬の間に葉を落とし、春になると新しい葉が出てきて光合成を行い、5月以降からつるを長く伸ばすようになります。クズの匍匐系を伸ばすスピードは速く、1ヶ月もあれば数十㎝から1mを超える場合もあります。また匍匐系の基部となる株元は電柵から離れた場所にもあるので、梅雨時期に電柵周りだけ対応していたのでは再び伸びてくる場合もあります。 |
Q:
この春にティフトン芝をコウライシバに張り替えたところからまたティフトン芝が出てきました。 剥ぎ取った下に残っていたティフトン芝か、張り替えたコウライシバに入っていたものかどうしたら分かりますか? A:
ティフトン芝が出てくるには必ず茎があります。 |
Q:
例年9月にはスズメノカタビラの予防として発生前土壌処理剤を散布しています。しかし現在、フェアウェイ、ラフ共に乾燥害が出ています。このまま除草剤を処理しても除草効果に問題は無いですか? A:
土壌が乾燥しているままで土壌処理剤を散布しても処理層は形成されにくいと考えます。例え規定水量の300ml/㎡で処理をしたとしても十分な水量と言えません。 |
Q:
テュパサンはベントグラスに影響するのですか? A:
ベントグリーンのメヒシバ・アキメヒシバ対策としてテュパサン処理するケースがありますが、ターフ状況によって部分的に変色や芽数の低下する現象が見られています。特に3,4月のまだ生育が旺盛でない時の処理で、アントシアンで紫がかった系統に現れやすいように考えられますが、5,6月でも発生することがあるようです。ベントグラスの品種としてはペンクロス以外にも現れています。通常処理後2週間くらいで葉色が褐色になり、10cmから50cm大のパッチ状で一見病気に見間違えます。その後2週間程度で回復してくることが多く、状況によってはさらに時間がかかります。またメーカーによれば、関西だけでなく他地区での報告もあり、原因もまだ判明できていなく(現在調査中)、現段階としては前もって部分的に試験散布して、しばらく経過を見てから処理する方が安全だということです。
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Q:
土壌の三相分布とは何ですか? A:
土壌は主に土壌粒子(固相)・水(液相)・空気(気相)から構成されており、固相・液相・気相を体積の割合で表したものが土壌の三相分布です。芝地では固相が50%、液相と気相はそれぞれ25%となるのが理想と言われています。液相と気相の割合は降雨や散水によって日々変動しますが、固相の割合は踏圧などの要因によって少しずつ増えていく一方です。固相率が70~80%になってしまうと、固結土壌となり、植物の根の生育を阻害します。固相率を減らす方法としては、畑地では耕うん、芝地ではフォーキングやコアリングなどの更新作業が拳げられます。土をほぐすことで土壌の三相分布を調整し、健全な作物の生育を促します。 |
Q:
土壌が酸性だと何が問題になりますか? A:
日本は非常に雨が多いため、土壌の石灰分(アルカリ成分)が流されて酸性になりやすく、強い酸性になると芝を含めた様々な作物が生育不良を起こします。これは酸性になることによって土壌中のアルミニウムイオンが溶出し、根の伸長や細胞分裂を阻害するほか、土壌中のリン酸と結合し、植物が吸収できないリン酸アルミニウムにしてしまうためです。酸性土壌の影響は様々ですがその一つが黄化で、コースの芝も酸性が原因で黄化することがあります。強酸性の場合はカルシウム資材を散布して芝の生育に適したpH(5.5~7.2)にしましょう。pHを測定する道具がない場合は是非研究所にご依頼ください。 |
Q:
グリーンが臭いのですが、このにおいはなんでしょうか? A:
どぶ臭いにおいであれば、その原因は、有機物が還元状態で分解されたときに発生する臭いと思われます。
A) 硫化水素:よく「卵の腐ったような」と表現されますが、卵が腐った臭いはほとんどの人は嗅いだことがありません。少しですがゆで卵からも同じ臭い成分が出ています。硫黄温泉に行くとこのにおいがします。
B) メチルメルカプタン:これも「玉ねぎの腐った臭い」とありますが、たくあんやきりぼしだいこんからもこのにおい成分が出ていて、糞便の臭い成分でもあります。
C) 硫化メチル:「キャベツの腐ったにおい」、夏の生ごみの中にキャベツがあれば確認できます。
D) 2硫化メチル:野菜の腐ったにおい、ニンニクに似た硫黄臭。
E) 酢酸:いわゆるお酢のにおいです。
F) 酪酸:銀杏のにおいで、揮発性が低いのでいつまでも臭います。濃度が薄いと汗のにおいともいわれます。
他にも臭いにおいの原因となる臭気成分はありますが、ここには主なものをあげておきます。 |
Q:
土壌水分計を購入しましたが、活用法を教えてください A:
最初は、色々な時や場所で測定してみてください。おそらくグリーンによっても水分値が異なり、一つのグリーン内でも場所によって水分値が異なっていることが分かると思います。均一な芝生育を維持するためには、均一な土壌水分に維持することも大事になります。次に、雨が降った後や乾燥害が出始めた時などに測定していると、水分が多過ぎる状態や芝が乾燥し始める水分値、また一日にどの程度水分が減少するかなどが把握できるようになります。それらによって、散水の必要性や散水量の調整などの判断にも役立ってきます。
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Q:
震災後話題になっているセシウムをシバも吸収するのですか A:
問題になっている放射性セシウム(Cs-137)はアルカリ金属に属しており同族のイオンと同じような動きをします。まず空気中のセシウムは雨に溶けて地表に落ちると、土壌中ではカリウムやナトリウムと同じ1価の陽イオンとして土に吸着されます。
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Q:
グリーンの透水試験はどうやって行うのですか? A:
芝生面の透水性を測る場合、簡易現場透水試験として、ホールカッターのような円筒管を深さ5cmほど打ち込み、その中に水を注入して、その水が浸透する速度を計測します。透水係数はゴルフ場の場合、時間当たりのミリ数で表します。計算式は、浸透深さmm÷時間hになります。例えば、10分間で5cmの水が浸透した場合は、300mm/時の透水係数になります。正確には水温や水圧差なども測定に影響しますが、およその透水性はこれで把握できると思います。 |
Q:
鉄剤を施して芝の葉が黒くなってしまいました。何故でしょうか? A:
それは鉄の過剰障害ではないでしょうか? |
Q:
ドライスポットの原因と対策は? A:
ドライスポットは砂粒子の表面が撥水性の物質でコーティングされることによって、土壌毛管力が働かずに極端に保水性が低下する現象です。原因は土壌病原菌や有機物質からの生成物や根からの分泌物によるものといわれていますが、まだはっきりしていません。4,5月の気温が上昇し芝の生育が活発になった時や、梅雨明け直後に高温・乾燥状態が続いた時に、突然グリーン上に発生することが多い。一端ドライスポットが形成されてしまうと、いくら散水してもその部分にはうまく水が浸透せずに、カラカラの状態で残ることになります。 |
Q:
PHを測るとき 水と塩化カリウムがありますが、どう見ればよいですか? A:
水で抽出したPHが現在の酸度、塩化カリウムで抽出した酸度が将来の酸度と見てください。
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Q:
芝生の散水は何時、どれだけすれば良いのでしょうか? A:
芝草の根が吸水するのは日中がほとんどであることと、夜間に余分な水分があると病気発生を助長する恐れがあることなどから、芝生への散水は夜明け前から早朝が好ましいと考えられています。ただし、芝生に乾燥害の症状が出て水を欲しがっている状況であれば、夕方でも散水しなければなりません。その時、ベントグリーンであればできるだけ冷たい水で、根の所に水を浸み込ませるように散水してください。 |
Q:
土壌分析において、様々な単位の意味を教えてください。 A:
【生理】
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【気象】
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【栽培】
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【害虫】
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【肥料】
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【管理、その他】
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